Multiangle L2F, MALV

l2f

L2F

Multiangle L2F, MALV(マルヴ)は,レーザ2焦点流速測定法(L2F, Laser 2 focus velocimeter)の改良型計測法です.
従来のL2Fは,空間に近接する2つのレーザスポットを順次通過するトレーサ粒子からの散乱光を, TOF(Time of flight)計測,または相互相関法により,その通過時間を求め,レーザスポット間の距離から速度を計測する手法である.


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L2F 測定体積を通過するトレーサ粒子.

半導体レーザを使用することにより回折限界まで焦点を小さくすることができるため, 高速流計測に必要な非常に小さなトレーサ粒子 (金属酸化物,d ∼ 1μm) からの散乱光も高いS/N比で検出できる. また,高い速度計測の空間分解能を有する.

MALV

L2Fでは,光学的なS/N比が良好なため金属酸化物などの小さなトレーサ粒子を使用することができ,ターボ機械内部の流れや,超音速流などの非常に高速な流れに適用可能である. 一方で,デメリットとして2焦点に対して斜めに入射する粒子の速度計測ができず,測定装置を回転させながら角度を探らなければならないデメリットがあった. そこで,受信センサをアレイとすることで,空間の速度ベクトル2成分を計測可能な方向検知型L2F(Multi-angle Laser 2 focus velocimeter, MALV)が開発された.

相関法とTOF法

相関法による信号処理, signal processing by cross correlation method.
トレーサ粒子の数密度が高い場合は,測定体積から連続的に散乱光が検出されるため,その1つ1つを識別することは難しい. したがって,その輝度変動の時間変化について,各チャネル間(上流側4点と,下流側4点の受光センサ)の相互相関係数を計算し,その相関係数の高い組み合わせを飛翔角度として, また,その時間差をビームスポット間隔で除することにより,速度ベクトルを決定することができる.
TOF(通過時間)による信号処理, Time of flight signal processing.
トレーサ粒子数密度が低く間歇的に散乱光が検出される場合は,上流側の信号受信から下流側の信号受信の時間差を計測することにより,速度を決定する. MALV初期型では,8CH分の散乱光強度をコンパレータでデジタル化し,ハードウエア割り込みを使用して高速FIFOバッファメモリに転送し,PCにてその時間差を計測する方式を採用していた.

光学系概略図

MALVOptics
後方散乱型L2F(MALV)の光学系詳細図.

計測装置写真

opt
光学系全体図.ユニット化されており,可搬型であるため,フィールド計測や車両に搭載しての計測が可能である.

ld
送光部.LDから射出された近赤外光はコリメートされたのち,ウオラストンプリズムで2光束に分割される.

prism
後方散乱光受光方式.ここで送光と受光が分割される.

apdarray
APD(アバランシェフォトダイオードアレイ)受光部.一対のAPDアレイで粒子からの散乱光2時刻分を検出し,速度と方向を同時計測する.